白人とアジア人がウロウロしているのだからほかの客が興味深い目で見ている。何十年前の日本、肌の色が違う人間がジロジロと見られる感覚だ。
Qちゃんは羊や山羊系の肉が好きだ。値段が高いこともあるが、個人的に私の口に合わない肉だから食材リストには入れてあげない。意地悪な私。
今日は何故か気分爽快、財布の紐が緩んでいる。 Qちゃんに「買うなら今よ、好きなものを買っていいよ」と気前がいい私。
そういって一人で店を出て少し雨混じりのひんやりした空気に触れた。
家に帰って店で買った上品なお菓子とミルクティーを飲んだ。 良い気分だ、リッチな気分だ。
そろそろお腹が空いてきた、Qちゃんが何の肉を買ったのか興味が沸いてきた。冷蔵庫の白いプラステック袋の中を開けてみる。

豚や牛肉の心臓は普段食べているけど、特別って感じがしない。 Qちゃんには特別なんだって。 私が定期的にレバーが食べたくなるように、動物の心臓はQちゃんには特別なのだ。








Qちゃん、私のゴートハートあげるよ。 やっぱり口に合わない。 ゴートハート、本当の美味しい食べかたを知らないんだろうな私。