2008年2月3日日曜日

人恋しい

愛されている。必要とされている。貴方がいるのに、人恋しいのは如何して。

仕事場で、話して、笑って、どうでもいいことで喧嘩して。その人その人、彼らがいるから「その場(職場)」があって、いまの私の暮らしが成立してる。世の中くるくる良く回っている。

仕事帰リの1本道。道路工事をしていた。オレゴンの冷風が私のぷっくり頬に体当りする。赤のジャケットの襟で顔をおおった。

工事現場を通り過ぎる時、オレンジ色の工事現場のジャケットを着た50歳位の男が「ハロー」と挨拶。「ハロー」と私も挨拶。

もう会うこともない人とのほんのわずかな繋がり、会話、接触。人恋しい時は他人とのこんな1秒の会話にも重みを感じる。自分の存在が認知される、人間の幸福には不可欠なことだ。

「今晩は勉強会があるから出掛けるよ」朝Qちゃんがベットの中で囁いた。人恋しい時、Qちゃんの何でもないこんな言葉にも淋しくなる。今晩は読みかけの本を一人で読もう。

アパートの駐車場に着いて郵便ボックスをチェックする。知らない間にパラパラと曇り空から雨が降ってきた。

誰もいない暗く冷たいアパートのドアを開ける。部屋の鍵を冷蔵庫の鍵掛けに掛ける。キッチンカウンターにQちゃんからの置き手紙を見つけた。「Na--今夜のクラスはキャンセルになったよ。Q」

人恋しいこんな日、こんな短いメッセージで重たい心が軽やかになった。 陰がうつる私の顔に小さな微笑みが戻った。

Qちゃん、早く帰ってこないかな。人恋しい、こんな日は。ローストハム
ポテト、人参、セロリの炒めもの
玉葱サラダ
玄米

「クラスがキャンセルになって嬉しいんだろう、ハニーちゃん」御機嫌で台所に立つ私にQちゃんがいう。人恋しいときは素直に「うん」といえる。Qちゃん、今夜は親を知らない子猫のようにしっかり甘えるからね。