ロスはQちゃんの世界最愛の友達。 21年前に二人で5ヵ月アフリカ ケニアの大地を歩き、ラップウェイでは6ヵ月の共同生活、アイダホの大学では1年ほどルームメイト。毎晩絶えることなく広いアパートから笑いが聞こえた。
ロスはQちゃんにとって大切な人。「私とロスとどちらと暮らしたい?」と意地悪な問題を出すと、 真剣に頭をひねって考える。 それほどロスはQちゃんにとって価値のある人物なのだ。
ロスを嫌う人物がこの社会に存在するのかというほど彼は平和主義、 温厚、親切、彼こそ正真正銘の癒し系人物である。Qちゃんなんて彼と比較すると「へのかっぱ」だ。
4年前に奥さんのオータムさんと結婚し、私達が去年訪れた11月にはオータムさんは妊娠していて仕合わせ一杯のカップルだった。





そろそろ夕暮れ時。大学時代は料理が得意なロスはいつも夕食を作ってくれた。ルームメイトのQちゃんはロスの愛情がとけこんだ料理を毎晩食べていた。12年過ぎた今夜もオータムさんとロスご夫婦の愛情が注がれた手料理を頂くことになった。




陽気にご飯を食べおえて少し映画を観賞した後は「Qちゃん、ほらルイストンの夜のデートスポットに行く約束でしょう?」そう言い訳しないとずっとロスの家に留まるQちゃん。ロスはもうQちゃんのルームメイトではない、オータムさんの旦那さんになったのだから少しは気を利かせてあげなさい。ソファーに深く腰をかけて寛いでいるQちゃんの手を引っぱった。


ヤキマで週末を過ごしている伯父さんと叔母さんの家に帰り、ルイストン2日目の夜を二人で静に終えることにした。
明日の午後過ぎに伯父さんと叔母さんが帰って来る。12年振りに会う二人。いや~ん、恥しい!ドキドキしながら大学時代Qちゃんが寝ていた小さいベットの上に横になって天井を見上げた。Qちゃんは私の隣でサイエンス フィクションを読んでいた。