2008年9月14日日曜日

ノースウエストの林檎

私の父は林檎産地で有名な青森県の生まれだ。青森といえども私はまだ3回しか青森に足を入れたことはない。

青森の食べもの、言葉、笑顔、習慣は北陸の金沢とは違う異国のようである。たった3回の訪問でそのような印象が私の中に刻まれた。

青森といっても林檎栽培は弘前市中心の津軽地方で行なわれているらしく、父の故郷下北では栽培されていない。

親戚が弘前市の林檎園に嫁にいって子供の頃よくダンボール箱一杯に林檎を送ってくれた、と父の兄である伯父が私に話してくれたのは2年前のことだ。

Qちゃんとの暮らしに疲れて青森に隠居した両親の元に里帰りをさせてもらっていた頃の伯父さんとのいい想い出だ。

林檎といえば青森。

20代は東南アジアを渡り歩いた父は南国のトロピカルフルーツでも日本の柑橘類でもどんな果物も好きな人だが、「林檎」は彼の好物のトップバッターだ。故里青森のシンボルだからだろうか。

同じようにQちゃんにとってアップルといえばワシントン。

Qちゃんもまたあると凡ゆるフルーツを好む人だがアップルは彼になくてはならない食物だ。 これはワシントン産アップルを食べてスクスク育ったからだろう。

晩ご飯のあとのQちゃんとの30分間の散歩コース。ワイルドな林檎の木があちらこちらと立っています。犇めくように林檎達がなっている。小振りで形も悪くない。なかなかの「べっぴんさん」である。しかしコマーシャルでないから誰も気にも止めない。ハワイ島のワイルドなグアバの木と同じ状態だ。

毎回この林檎コースに来るとQちゃんは林檎を木からもぎ取る。

そして、昔テレビで放送していた加山勇三の歯磨き粉の宣伝ではないが、ガブッと林檎をカジり食べさしの林檎をカッコよく私の目の前にさっと差し出すのだ。

味は酸味が残っていて野性化した林檎にしてみれば合格だ。

二人が一口ずつ林檎をカジったら、Qちゃんはその林檎を木々の茂みに放り投げる。 林檎と茂みの触れ合うカサッという音を聞いて二人はまた散歩コースに戻るのだ。

晩ご飯: 牛肉の心臓、じゃが芋、 タマニギ、ズッキーニのソテー
グリンピース
紫キャベツのクリームチーズサラダ
キュウリのピクルス

1日30分の夫婦の散歩。今だからできるQちゃんと私の贅沢でクオリティーな時間。