「かまわないよ。これ母さんから」Qちゃんの手にヤキマに住むラニママからの手紙が握られている。
ラニママから? 何か特別なことでもあったのかしら。
「そうだよな。 誕生日でもないし、特別なバハイイベントでもないし。 いいじゃないか、開けて読んでくれよ」Qちゃんの手からラニママの手紙を受け取る。
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Qちゃん、とっても嬉しいみたい。地球儀カードを見て私の横でニコニコしている。
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ラニママのバハイ宗教の友達が久し振りにバハイ教の品々を整理していたところ「これ」を見つけた。そして彼女は母親であるラニママに「これ」を送った。ラニママとルースおばあちゃんは「これ」をみてとても懐かしんで喜んだそうだ。 ラニママは「本人が『これ』をもっているのが一番いいかもしれないと思ったの」という言葉で手紙を終えて「これ」を地球儀カードに同封してきた。
なんと「これ」は1976年12月5日のバハイクラスに参加していたQちゃんを先生(ラニママの友達)が記録していたものだった。 32年前ということは当時9歳のクデュース少年だ。私は日本でヨチヨチの2歳だ。
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9歳のQちゃんの発言だ。私が父兄参観で彼のクラスに参加していたらきっと遠くから彼を温かい目で見守っているだろう。
おばちゃんは君の言ってることがすごく判る、うん、判る。
32年後の君はアメフトシーズンになるとテレビのソファーに足を伸ばしておばちゃんのことなんて無視して一人でかなり興奮してるもん。
君が大学に入る頃にはランニングも時時してたな。友達と遊ぶことは毎晩だったんじゃない?
そうだね、 君が得意としているように君は数字や記号や科学に強いから大学では理科系に進むはずだったのよ。だけどバハイ宗教の教えである世界貢献をしたいという希望で君は大学に進まないでアフリカに行くんだ。
それから君は大学での専攻を政治学に変えてしまった。
欲を言うなら16年前にアイダホの大学で理科系に進んでいた君におばちゃんは出会いたかった。
君は木登りが得意っていってるけど「木にぶら下がるのが得意なオラウータンの縫い包み(ペー君)を養子にする」なんて今の君には予想もつかないでしょう?
探検が好きだよね、君。
温和しそうな顔をしているけど行動はかなりワイルドだもんね。
大人になった君に連れられておばちゃんはいろんなところに無理矢理連れていかれて「探検」させられた。
台湾の台東の月だけしか見えない泥水の田んぼの細い土手を君に手を引かれて泣く泣く歩かされた時「君はいつまでたっても冒険者(腕白坊主)だ」と諦めた。
月光のスポットライトを浴びながら蛙のオーケストラがおばちゃんと君の為に生演奏してくれていた。そんな冒険をこれからするんだ、君は。綺麗だよ、台湾の真っ暗畑で見る月は。
苦手なことも9歳にしてはよく判っているじゃないか。
けど、君は32年たった今でも「Keeping my mouth shut」はまだ苦手みたいだな。
五月蝿いからおばちゃんは聞く振りをして無視しているんだ。
「苦手です」じゃなくて逆に「得意です」と堂々と胸を張ったらいい。
9歳の君が15年後におばちゃんに出逢うと「このクラスの参加者の中で」誰が予期できただろう。
皆の前で発表し終えて満足そうに自分の席に戻る9歳のクデュース少年を教室の後ろの父兄に交じって見つめながらおばちゃんは考えている。
この教室で「君の40歳までの道のり」を読みとれるのはおばちゃんだけだな。
晩ご飯:
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豆腐と若芽サラダ
9歳のQちゃん。 無邪気で競争心があってかわいいな。