 あのこは細くて長い足を抱えていつも椅子に座って本を読んでいる。一番左の椅子に座っている。座布団の替りにダンボールが敷かれていることもある。いつも白かグレーのジャケットをはおっていて、ジャケットに付いている帽子で子猫のような小さな頭をすっぽりとおおっている。 真剣な顔で黙々と膝の上に置かれた本を読んでいる。煙草を吸うわけじゃない、他の若い男の子達と冗談をいいあっているわけじゃない、 ただ一人淡々と本を読んでいる。
あのこは細くて長い足を抱えていつも椅子に座って本を読んでいる。一番左の椅子に座っている。座布団の替りにダンボールが敷かれていることもある。いつも白かグレーのジャケットをはおっていて、ジャケットに付いている帽子で子猫のような小さな頭をすっぽりとおおっている。 真剣な顔で黙々と膝の上に置かれた本を読んでいる。煙草を吸うわけじゃない、他の若い男の子達と冗談をいいあっているわけじゃない、 ただ一人淡々と本を読んでいる。あのこをそこまで夢中にする本、あの細い指でめくられるページには何が書かれているのだろうか。
雨の日や、風が強い天候の悪い日はあのこに会えない。天気のよい日は一番角の指定席に座るあのこの前を通って家に帰る私。
明日も仕事、仕事帰りにあのこに会えるかな。
今晩の夕食はQちゃんにお任せします。
 何やらスパイシーな香りが鼻につく。
何やらスパイシーな香りが鼻につく。 砂肝とブロッコリーとキャベツのタイ風炒め
砂肝とブロッコリーとキャベツのタイ風炒めヒヨコ豆と玉葱サラダ
玄米
あのこと話したことはないし、知りあうこともないだろう。 だけれど帰り道にあのこを見ると「まだあのこがここにいる」と安心する。 いつかあのこはここから消えると知っているから。
 
 

