金沢から故郷青森に隠居した父からの海の幸の贈物。 いつもなら母が送ってくれるが入院中の母の替りに父が送ってくれた。国際郵便に手慣れた母の替りに、父が小さな郵便局のカウンターで不慣れな書類を記入している姿を浮かべる、お父さん、ありがとう。
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アメリカ宛の私の住所は、母の細い整った字ではなく、父の太い力強い字で書かれている。
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家の前の海から取った天然の干し昆布。寒い冬にはお鍋や煮物に重宝するけど、Qちゃんと私はお鍋や煮物を食べない。日本料理を食べる日本人の友達に使ってもらおう。
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時期になるとイカ漁が始まる、父は「なんちゃって漁師」をして隠居生活をしている。海が好きで少年のように海へ繰り出すのだ。自分の取った海の宝を家族に自慢したいのである。お父さん、ありがとうね。食べ切れないから、スルメは日本酒を楽しむお友達に食べてもらうね。
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「いらない」と何度も言っているのに、母なら絶対に日本のお茶、お菓子、のり、他にもたくさん段ボールに入れてくる。 やはり男親と女親は違う。とてもシンプル、手紙すら入ってない。
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が、相撲好きなQちゃんの為に相撲の本は入っている。Qちゃんと父は必ず相撲情況をチェックする仲だ。
御主人のお仕事の関係で昔青森に住んでいたことがあったひまわりさん。青森の食を、私より知っている。 味を知らない私より、味の分かる人に噛んでもらうほうがスルメだって浮かばれるだろう。
先週ひまわりさんが大きな袋を私に手渡した。「NANAちゃん、これ。タレに漬けたスルメ、美味しいから食べてごらん。」
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あのスルメが醤油タレで柔らかくなっている。
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「あぶったスルメをマヨネーズと七味で食べると美味しいんだよ!」元気な声で言ってたひまわりさん。なんと「グリル」と「七味唐辛子」まで用意してくれていた! 気の効く人って、ひまわりさんのことを言うんだね。
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では、あぶらせて頂ます。
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スルメに興味を示すペーちゃん。
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、、、何にも変化がないなの。
キッキッキッキ! (驚いたなの! スルメさん、新体操のオリンピックに出れるなの!)
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やわらか~い身体。
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そこまで曲がるの、 スルメさん?
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香ばしいスルメさん、マヨネーズと七味唐辛子で頂ます。 本当だ、やわらか~い! 残りは、今夜のお客さん達に食べてもらいました。エーロンさん、スルメが好きでお持ち帰りになりました。
スルメだけではなく、ひまわりさんの袋には赤い半袖の夏服と長袖のグレーのジャケットが入っていた。私は今、その赤い夏服を着てその上に長袖のグレーのジャケットを羽織っている。クリスマスは祝わないけど、今年は少し早いクリスマスが来たようだ。ひまわりさんは私のサンタクロースだ。