お父さんのジェームス ジェファソンさんが誕生日に恒例のガンボ(南部料理)を作るから、Qちゃんとその奥さんである「可愛いスイートパイ」をぜひ招待するようにとジェアタに命令が下ったそうだ。
ジェームス ジェファソンさんはQちゃんの継父、Qちゃんの妹ジェアタと弟のジェファーの実父だ。Qちゃんが少年の頃強く影響を受けた「育ての父」でもある。
私の周りには実に興味深い生き方をしていて魅力的な人間がいるが、 ジェームス ジェファソンさんは正にその一人だ。謎のある人物だ。
その謎の一つは誰も彼の年齢を知るものがいないという事実。 前回の感謝祭では70歳だと自称していたが、その情報が正しいものなのか誰も知らない。取り敢えず今回は「ジェームス ジェファソンさんの素晴らしき71歳の誕生日会」としておこう。
ジェームス ジェファソンさんは35歳になった私に「スウィートーパイ」、「 ベイビー」、「キュティー」と呼んでくれる残り少ない唯一の男性なのだ。 だからぜひ長生きをしてもらって85歳になっても、93歳になっても、 100歳になってもこのように私を甘く呼んでほしいのだ。
例え私が先に他界しても「あの日本人、、あの、、ほら、、 名前は何っていったっけ? ほら、 よくスウィートーパイって呼んでいた、 あの日本人だよ」と偲んでほしい男性だ。
残念ながらその日は仕事でガンボディナーに出席することができない私は、出勤前にQちゃんにデジタルカメラを握らせて「家族ディナーの写真」を撮ってくるように促した。Qちゃんは嫌な顔をせず「了解」と一言。階段を下りる私に手を振るQちゃん。いってきます。 私も一所懸命に手を振った。
家に帰るとキッチンカウンターにいつもの置き手紙。
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夜9時過ぎ一人でテレビを見ていると、トントントンとアスファルトの階段を上がる足音。わ~い 、Qちゃんのお帰えりだ。
犬のごとくQちゃんにまとわりつく。くんくんくん、だって美味しそうな匂いがするんだもん。ガルルルッッッゥ、 お中も空いてるもん。「お坐り」、「お手とお代り」、「伏せ」、「ちんちん」何でも上手にするから、 そのガンボ早く食べさせてよ。
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Qちゃん、皆元気だった? 食べながらだけど、お話聞かせてよ。