2008年1月8日火曜日

12年振り、アイダホ州ルイストンに帰ってみます-- (8)

アイダホへ向かう途中Qちゃんには秘密ミッションがあった。ウインドサーフィンの穴場、ウッドリバーでその任務は行なわれた。Qちゃん車を止めて大胆にも石を拾いはじめた。 ねえ、Qちゃん、これって犯罪じゃないの?この石どうするの? 答えはラップウェイに行ってからのお楽しみ。二人はアイダホへ向かった。



前回は「Qちゃんとの初デート」と「復縁ゴールドコイン」の話にまつわるルイストンの公園に集点を置いた。 今回はその公園を離れ、Qちゃんの心を盗んだ場所、ラップウェイにレッツ ゴー!

ルイストンからクリアウォーター川沿いに南に車を走らせればラップウェイに着く。


旅の途中へ続くクリアーウォーター川沿いにルイストンを支えるパルプ製造工場ポットラッチが佇む。工場から独特の臭い匂がする。この独特の匂いを嗅ぐと人々はルイストンに帰って来たと心を撫で下ろす安心感を得るのだ。

「ほら懐かしいルイストンの匂いがするだろう?」 と、私が座る助手席の窓を開けるQちゃん。「うん、 この匂いだ」12年振りのルイストンの匂いが鼻を突き刺す。
ラップウェイへ行く途中の高速道路に小さなカジノが出来ていた。ネイティブアメリカン保護地域でカジノを経営するのが最近増えているが、アル中やギャンブル問題などの増加で社会問題になっている。とうとうこの平和な小さい町まで浸透されたようだ。車で15分くらいでラップウェイに到着。人口1134人のアメリカ原住民ネスパース部族の小さな町。

Qちゃんの故郷でもあるラップウェイ、21歳から22歳の1年程ここで住んでいた。Qちゃんのラップウェイのお父さんフェリスさんとお母さんリンダさん御夫婦に私は12年振りに御挨拶。あの頃のQちゃんの日本人ガールフレンドのNANAではなくて、 Qちゃんの奥さんとして。なんだか恥ずかしい。

フェリスさんは裏庭で屋根の修理をしていた。冬が来るまでに完成させないといけないからね、フェリスさんは温かい目で私達を夫婦を迎えてくれた。

Qちゃんは裏庭に続くクリアウォーター川に面した砂利道に車を移動し、木造塀の側に車を止めて、昨日アイダホに向かう途中のウッドリバーで拾った石を車から取り出した。そして裏庭の角に積み上げられた石の上に置いた。

ここはネイティブアメリカンの神聖な場所、フェリスさんの 「スウェット ロッジ」なのだ。Qちゃんはこの裏庭で定期的にラップウェイの男達と共に体内と精神の毒素を汗とともに排出して、 スピリチュアリティーを清めるのだ。スウェットに使う丸太。 木を燃して石を焼く。熱くなった石をスウェットロッジの中にいれ、サウナ情態にする。特別な草を乾燥させ、焼けるような熱い石に振りかけ、スウェットロッジ空間のスピリチュアルを高める。庭には予備の乾燥草が保存されている。 男達はスウェットロッジに入る前に体を水で清める。日本でいうと銭湯の湯に入る前に汚れた体を軽く洗って清める礼儀のようなもの、 Qちゃんが説明する。このスウェットロッジでは役12人の男達が精神を共に清めることができる。

「スウェット後の感情は、、、言葉にできないスピリチュアル ピュアリフィケーション。」スウェットの後のQちゃん、毎回確にどこか違う。体からオーラが感じられる。

Qちゃんは大学の頃からよくスウットをしていたけど、私がスウットロッジを見たのは今回が初めてだ。15年目にしてQちゃんのことをもっと知ったような気がした。

Qちゃんと二人、リンダさんの居る家の中に戻る。 昔の話や家族のこと、Qちゃんとリンダさんは親子同然だ。リンダさんのお孫さんが遊びに来ていた。3歳にしては大きいのよ、リンダさんは15年前と変わらぬ大きな笑顔でQちゃんと私に微笑む。「この娘は、ネスパースの顔そのものなのよ。」誇らし気なリンダさん。やはりおばあちゃんになると誰でも自分の孫が可愛いのだろう。「はい、 ウインクして! 二人の写真を取るわよ!」とリンダさん。あれれ、 タイミングが外れちゃった。「はい、もう1度。 いくわよ、 はい、チーズ!」今度は私がタイミングを外しちゃった。 「それじゃ、 うっ~て顔して写真を取りましょう。はい、うッ~!」今度は二人ともタイミングがピッタリ。なんか私と似てるわね、娘ですって云っても違和感ないわ。「今度来る時は3人でね! うふふふ。」リンダお母さんはQちゃんの肩をポンポンと叩いて、私にウインク。

Qちゃんと私はフェリスさんとリンダさんの家を後にして、ルイストンに帰ることにした。今夜は絶対に会わなければいけない人に会うことになっているからだ。

車の中でQちゃんに「私達にあのくらいの年齢の子供がいてもおかしくないよね。」と洩らした。「子供欲しくなったのか?」とQちゃんが尋ねる。

「、、、どうかな。」自分でも答えがわからなかった。