2008年8月10日日曜日

紫陽花の下で

ひまわりさんのお庭から私とQちゃんのワンベットルームアパートに薄紫色の紫陽花が届きました。薄赤紫の紫陽花の下でこの世界で一番大切なQちゃんと一緒に今晩食事をします。

ビーツが大好きなQちゃん。

短期間アルバイト兼友人のボランティアで移民者に第2母国語として英語を教えていたQちゃん。学期終了のパーティで生徒さんが作ってくれたウクライナ料理のビーツのベイクド料理をもって帰ってきてくれましたね。

今年の冬のことでしたね。

あなたはどうしてこうしていつも優しいの。

16年前の大学キャンパスで国際感覚があったあなたに魅かれました。

そんなあなたを目にかけてくれた教授軍。あなたには未来の選択が光輝いていた。

「What made you not to do so?」と教授達は隣にいる私をちらりと見ながら目を丸めたわね。

「,,,that is your choice. I am happy for what you do after college anyway.」教授達の残念そうな顔が今でも忘れられないのは私に劣等感が残っているからでしょうか。

そんな国際感覚と知識はまだまだ健在ですがここずっとその才能を生かしていませんね。

「そういう暮らしもいいものさ」とあなたは平気な顔をしていますが、あの時私があなたの選択に「YES」と言っていたならあなたはここオレゴンにはいなかったでしょう。

「もう過ぎたことさ」というあなたのそんな優しさが冷酷なほどに私を後悔という渦で苦しませているのをあなたは知っていますか。私はあなたに相応しい女性(妻)ではないのかしらと思うことは幾度もあります。「そんなことはないよ。君はありのままでいいよ」あなたの口から出るその言葉はあなたが野望を捨てた裏返しなのでしょうか。あなたは後悔はしていないといいますが、私は「あの選択」には後悔しているのです。もしあの時「あなたの選択」についていったなら、野望がある若い勇敢な雄ライオンのあなたは臆病で魅力のない雌ライオンの私からきっと離れていく予感がしたのです。それが怖かった。紫陽花の下で、あなたの好きなビーツ料理をこうして一緒に食べることはできなかった。そうなりたくなかった。二人が別の道を歩きだしていたらあなたは誰とテーブルに座って食事をしているのでしょうか。そしてあなたは幸せなのでしょうか。

私は誰のために料理を作っているのでしょうか。 そしてあなたを失って幸せなのでしょうか。あなたのかわりにその男性の好みのお弁当を作っているのでしょうか。 あなたを失った過去を心にひっそりと隠してその男性と暮らしていくのでしょうか。

それを幸せといえるのでしょうか。