「死ぬ前に陶芸をしたい!」と興味のないQちゃんを無理矢理連れ出した私でしたが「ヤル気モード」がすでに切れています。
今ではクラス参加は「暇つぶし」。時には仮病を使ってサボりたい気分の時もあります。 10年以上抱いていた陶芸へのあの情熱は果たしてどこへ飛んでいってしまったのでしょうか。授業30分前のサボリの常習犯だったQちゃんが授業開始ピッタリに教室の扉を開き、あれだけ真面目な生徒だった私が図書館やグランドで30分ほど足を伸ばしている。今では立場がすっかり逆転してしまった。
「よっこらせ!じゃ、行きますか」重い腰をベンチから起こし私は陶芸教室の扉をそっと開ける。「ハーイ! ジョー、元気? この前見かけなかったけど休みだったの?」
ジョーは中学生だけれど陶芸歴はヒヨッ子の私なんかより長い。ジョーは初心者の私に大変気を配ってくれて基礎的なことを教えてくれる先生だ。彼は黙々と「動物のオブジェクト」をつくり、先々週は海亀を作っていた。「ハーイ、Qちゃん。調子はどう? 順調そうじゃないの」ニッコリ微笑み返すQちゃん。今日は何を作ろうかな。ゲスト用おもちゃでも作成しようかな。ピースに「一文字」を刻んでみる。それを枠にはめ込む遊び。アメリカ人のゲストには外国語の勉強になって楽しい玩具になるだろう。Qちゃんの穴あきジーンズ。 私も穴あきジーンズをはいてくりゃよかった。 そしたらお揃いフォトを撮影できたのに。まだ1時間以上も時間があるな。 キョロ、キョロ。何かおもしろそうなものはないかな。見つけた! ボディーアート(刺青)です!指先にも足先にも指輪をはめている! さすが印度人はお洒落だね!
「休憩に行ってくるから、あとはよろしくね」Qちゃんに捨て台詞。フリー雑誌。 何かいい本があるかな。 覗いてみよう。あまり興味がないな。おやっ、これ何だ!オラウータンの記事じゃないの。ペー君ママとしてはこっちの方がよっぽど関心があるわね。どれどれ残りの時間までオラウータンの見出しでも読もう。