2008年5月15日木曜日

指紋取りの後は--飲茶デート(後半)

私とQちゃんがポートランドダウンタウンに来ると「あ、うん」ですることがある。 正確にいうと「私とQちゃんが(ポートランドに限らず)チャイナタウンに来ると『あ、うん』ですることがある」が適切だ。昔から飲茶が好きなQちゃん。昔から中華を食べさせるとどんなに腹を立てていても御機嫌になる私。喧嘩で私と仲直りをしたい時は「チャイニーズディナーに連れていってあげようか」と中華料理という「餌」で私を釣る。私はその餌に幾度となく釣られるほど中華料理が好きなのだ。自分が飲茶を楽しめる、妻(ガールフレンド)も満足させられるという理由から、Qちゃんはチャイナタウンに来ると私を「飲茶デート」に誘ってくれる。 ちなみにロサンゼルスのチャイナタウンで食べた飲茶は値段とボリューム、ダイナマイト! 香港で食べた飲茶よリも、オアフ島で食べた飲茶よりも、ポートランドで食べた飲茶よりも格段上なのだ。もしもあの飲茶レストランがポートランドにあったなら私はヘソクリを企てて毎月1度はQちゃんと「飲茶デート」をしているだろう。私は庶民派人間なのでチャイナタウンの汚くて、魚臭くて、 野菜も暑さでなよっとしていて、ムンムンした屋台が立ち並ぶ狭い道を活気ある声が飛び交うのを聞くのが好きだ。彼らの元気の源は屋台から吊り下がる裸のダックやチキンだったり、蛙や鳥の足や心臓だったり、桶の中に入っている名前の知らない魚や貝だったり。その食材の周りを大きな蝿がブンブンと飛んでいる。人間臭い生活が覗ける台所「チャイナタウン」が好きだ。残念なことにここポートランドの中華街にはそのような食料市場はない。

今回の飲茶デートのレストラン。ノースウエストポートランドの中華街エバレット通リ4番街。信号角にある飲茶レストラン「Fong Chong」。「香港スタイル飲茶」という広告に吊られて今回の飲茶デートは2回目となる。前回も11時前に来店した。 客はQちゃんと私と甥のタカンガ3人だけだった。今回のデートはQちゃんと私だけ。前と同じテーブルに座る二人。メニューは中国語。英語で説明されているけれど「その料理の写真」があれば飲茶に不慣れな私達のような客には実に都合がいい。前回は用意されていなかった。何を注文しようかな?最初は「この位」で飲茶デート開始!アルミホイルの中身は蒸しジンジャーチキン。 ヘルシーなQちゃんの選択です。海老と豚肉とグリンピースのワンタンの揚げ物。小麦が食べれないQちゃん。米粉のワンタンの揚げ物を二人の為にオーダーしてくれました。声がでない! 唸るしかない! Qちゃん、助けて! 外はパリパリ、 中はほのかに甘い豚肉とその汁がジュワッ! 今回の飲茶ディッシュの中で1番美味しかった。今度も「これ」頼むこと保証付き。ランチラッシュまで1時間程あるようだ。 裏のキッチンから準備中の料理人達の中国語が聞こえてくる。キッチンからは運ばれてきた数々の飲茶ディッシュ。 客は私達だけなので種類はそれほどでもないが二人の飲茶スナックには充分だ。あれも、これも食べたくなるの! 私って(食)欲張りっ!蒸し餃子、でっかい!皮は厚いし、豚肉がぎっしり!米粉饅頭。手で失礼、海老とサランチョラが具に入ってます。海老とポークの「ハカオ」、 定番ですね。飲茶でQちゃんが絶対に食べるもの。 セサミボール。 杏仁豆腐もワゴンで運ばれてくると絶対に手を伸ばしている。今回は時間が早いからQちゃんの好きな杏仁豆腐はなかったね。ねぇ、セサミボールってそんなに美味しいの? Qちゃんがメニューに目を向けている間にお味を拝見。

あらら、見つかったみたい。

「好きなのか、セサミボール?」とQちゃんが聞いてきた。首を振る私。

「だったら僕のために残しておいてほしいな。僕がセサミボールが好きなのを知っているだろう」Qちゃん子供のように拗ねるなんて、可愛いわね。はいはい、了解しました。 「このウーロン茶やっぱりおいしいわね」ここはお茶でも飲んでとぼけよう。うーん! もうお腹に入らない!御馳走様でした。

「テイクアウトの容器を下さい」ウエイトレスに呼び掛けるQちゃん。「僕は勘定を払う係、君は残り物を容器に入れる係だ。 レッドソースとマスタードも入れてくれないかハニーちゃん。」Qちゃん、 今日は本当にありがとう。帰化申請の第一過程もスムーズに無事終えることができたし、 ご馳走も食べれてとても生産的な1日でした。 Qちゃんのお蔭です。感謝しています。(Quddus, thank you for escorting me today. I could have my fingerprint taken for my naturalization process so smoothly and had a dim-sum lunch. It was such a productive day thanks to your collaboration. Thank you, as always. Nana.)