カレーライス。
学校給食で好きな献立はカレーライス。
家の夕食が予想外にカレーライスだったら何故が心弾む。
日本人なら誰でもそんな経験があるのではなかろうか。
カレーライスは日本人の心を懐かしませる家庭の味ではないだろうか。
その家、その家に特別な秘伝があり、 その人、その人に想い出の味があるカレーライス。
日本でいうカレーは世界でいうカレーとは少し主旨が違う。 それは世界の料理に触れるようになって初めて知った。
日本のカレーも旨い。が、スパイスが多種ブレンドされた印度カレーやクリーミーなココナッツと爽やかなハーブをふんだんにつかった東南アジア系カレーは絶妙に旨いのだ。
それだから我が家のキッチンには2種類のカレーペーストしかおかない。印度カレーとタイカレーだ。
基本的には日本のカレーは買わなくなった。
しかし育った環境とは忘れられないものである。日本のカレーライスが恋しくなった。
なにも秘伝の味を出すためにインスタントコーヒーを入れるとか、ミルクを入れるとか、林檎やバナナを入れるとか、トマトペーストやチョコレートを入れるなんてしなくてもいい。
それに3時間も煮込んでじゃが芋や野菜がとろけてなくなったり、肉がフォークで切れるほどやわらかく煮込まなくてもいい。
そんな「嘘つきなカレーライス」ではなくて、ぶつ切りにした野菜と豚肉を鍋で炒めてその中に水道水の水をひたひたに入れ、カレー箱から取り出した四角いカレールーを鍋に加えてトロトロになったら出来上がりという「そのままのカレーライス」が食べたくなった。子供の頃のように甘口を食べたくなった。玄米を炊いている間にできる、簡単で早い「そのままのカレーライス」。ごちそうさま。 子供の頃に食べたカレーライス。 なんだか眠くなってきた。
あの頃はお母さんが食事の後片つけをしてくれた結構な身分(子供)だったけれど、今は自分の食事の後片つけは自分でしなければいけない身分になった。
本当はお父さんとお母さんの食事の後片つけをしなければならない身分なのに。
遠藤賢司-カレーライスを5回も聞いた。
楽しいはずのカレーライス。今夜の私にはカレーライスの後味はメランコリーな気分にしただけだ。