アンジェリカは1週間程バケーションで家族とカリフォルニアへ行っていた。先週帰ってきたばかりだ。
やった!料理の腕には間違いないアンちゃん。ましてや彼女が作る本場メキシカン料理を誰が否定出来るだろうか。ためらうことなく頂くことにした。
家にかえる前に気分が良いので帰るコールをした。Qちゃん、出迎えデートに来ない?
「うーん、外は暑いから今回はやめとくよ」
うん、いいよ。と返事をしてくれると期待していたのに! 受話器の側で顔をしかめる。
晩ご飯は食べたの?「うん、軽く済ませたよ」デートを断られたので少し不快な私。
残念ね、アンちゃんから美味しいものを貰ったの。私が一人で夕食に食べようかしら。
この言葉に『アンちゃん=メキシカン料理=旨い!』というQちゃんの動物的カンが受話器を通して働いたようだ。
「僕だって少しは君のプレートから味見ができるだろう?」と主導権を握る私に小声で言う。さあね、それはQちゃん次第よ。 私は受話器を下ろした。
信号が青に変わるのを猛暑の中で待っていると、道路の向うにQちゃんが立っているではないか!
Qちゃん、「私」を想って出迎えデートに来たのか、それとも「アンちゃんからの旨いもの」にこぎつくために歩いてきたのか。その答えを知るのが恐いほどQちゃんはメキシカン料理が好きなのだ。
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仕合わせさんからの「居候君」で食べる「記念すべき初めての晩ご飯」はアンちゃんからの極旨テマーリです。
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ヒヨコ豆サラダ
チキンテマーリ
Qちゃんも一緒に食べる? 少しピリッとしていて調度いいね。
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翌日アンちゃんにお礼をする。
「辛くなかった? 美味しかった?」と心配そうなアンちゃんを横目に私は「昨日のQちゃんの限りなき幸せなテマーリディナー」について凄いスピードで報告する。
私は興奮すると言葉が早口になる傾向がある。この場合も私の口調が早くなっているのでアンちゃんが思わず吹き出すほどだ。
「良かった。そんなに好きなら、家にまだあるからもっと貰って。明日持ってくるから」
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アンちゃんの極旨テマーリ。Qちゃんと私でランチ、夕食、スナックと食べ尽くしました!
アンちゃん、とっても美味しかったです! 今度テマーリを作ってみようかなと考えさせられました。その時がきたらアドバイスをお願いします。御馳走様でした。