苛めを苦にして自殺未遂を起こしたのは中学2年生の時。その後転げ落ちるように非行に走り、 16歳で極道の妻となる。作者(大平光代さん)は様々な人間達の中で何度もなく裏切られ、人間を信じることができなくなってしまった。そんな時養父(大平浩三郎さん)と出逢い再び人間への信頼を取り戻す。29歳で難関の司法試験に合格し、非行少年の更生に努める弁護士として現在活躍中。
この本の初めの部分は、作者が経験した苛められる側の感情を鮮明に描き出されている。苛める側の卑怯な行動、最低な罵りの言葉、惨酷な扱い、日本の学校であなたも少なかれこんな光景を目にしたことがあるのではないだろうか。私はある。
勇気がなくて直接「○○ちゃんを苛めるのはもうやめよう!それって最低だよ!」と苛めブループに云うことはなかったが、人を無視したり、人をクズのように扱ったりすることは絶対になかった。そんな卑怯な行為をする人間は自分に自信がないからだ。人間は汚い生き方もできるし、心地良い生き方もできる。本人が選択することだ。
私は友人を選択することにしている。だから私の友達の数は少ない。私にとって友人とは腹を割って話せる人間でなければいけない。表だけの付き合いだけなら、一人でいるほうがましだ。日本社会では建前、義理などで嘘の付き合いをしなければいけなかったが、私には真っ平ごめんだった。だから日本を離れたかったのだろう。アメリカ大地の方が私の肌に合う。
アメリカに住んでいても日本人はたくさんいる。が、 私はアメリカに住んでいる日本人の中でさえも、「正直で飾りのない有りの侭の自分をさらけ出す人」と友達になりたい。自分を偽ってどうするんだ? 有りの侭でいいじゃないか、自分が心地いいならば。