かもめが一羽。
海がないのにかもめが一羽。
かもめは何を見ているのかな。
何が見えるのかな。
何を考えているのかな。
家族はいるのかな。
今夜帰るところはあるのかな。
そこには羽根を温め合う相手はいるのかな。
海がないのにかもめが一羽。
いつになったら海に帰るのか。
かもめを見上げた足をまた動かして家に帰った。
ひまわりさんから赤飯をもらった。 赤飯を食べるなんて何年振りだろう。 愛でたいことはここずっとないから赤飯なんて炊いてないもんな。「祝い」とか「記念日」とかそういう「いつもより5センチ上の日」みたいな印。
「花束を送る」とか「レストランに食事に行く」とかそういう「いつもとは少し女らしくなれる日」みたいなこと。
すっかり生活の中から消えている。
時にはこういういつもと少し違う演出をしてみるのも生活のスパイスになっていいのかもしれないな。
退屈な女だな、わたし。