2007年11月18日日曜日

12年振り、アイダホ州ルイストンに帰ってみます-- (3)

ルイストン二日目の朝。仕事が早いため今では休日でも5時には目覚める。Qちゃんは小さなベットの隣でスースーと寝息を立てている。「連れて来てくれて有難う」 Qちゃんの少し無精髭が生えた寝顔にそっとキスをした。

しばらくベットの中でカーテンからもれるルイストンの朝の光を見ながら考えた。自分は本当に恵まれた人生をさせてもらって来たなと。ここまで「人」に支えられて、助けられて生きてこれた。感謝という言葉では表すことができない人、 親、 兄弟姉妹、友達、Qちゃん、、、どうやって私の気持を伝えることができますか。

Qちゃんが起きるのを待っていたのでは、ルイストンでの時間がもったいない。 伯父さんの家から大学まで歩いて15分くらいだ。土曜の朝7時前のルイス クラーク州立大学/Lewis-Clark State College (LCSC)、誰もいないキャンパスを12年振りに一人で歩いてみることにした。

準備をしている音でQちゃんを起こしてしまった。二人で無事にルイストンに着いた感謝のハグをしてからQちゃんに一人で大学まで散歩に行くと告げる。Qちゃんも一緒に来ると言う、ベットから飛び起きて準備をするQちゃん。優しいのね、Qちゃん。

本当は嬉しかった。想い出のキャンパスをあの頃の私達のようにQちゃんと一緒に歩きたかった。朝は冷えるルイストン、熱いジャスミンティーの入ったカップを片手に家を出た。

何度もルイストンに帰省(?)しているQちゃんだが、大学校内に足を運ぶのは私と同じで12年振りだ。 大学周辺の家やアパートが駐車場に変わっていたし、 ドームも建てられていた。私達はあの頃のまま残っている図書館の駐車場に車を止めた。
この建物は昔はサイエンスとナーシングビルディングだった。建物へ続く歩道、今の寒い季節は写真のように技になっているけれど季節になると色鮮やかな薔薇の花が歩道を包み込んでくれた。今もそうなのかな。

Qちゃんがここから薔薇の花を数本内緒で頂いて私のアパートに持って来たことがあった。

夜私のアパートに学校帰りのQちゃんが立ち寄って薔薇の花をもって来たことがあった。Qちゃんは お金がないくせにロマンテック(おとめチック)なところが昔からある。

アパートの扉を開けるなり、無防備に束ねた2、3本の薔薇を差し出すQちゃん。台所で花瓶に水を入れながら「この薔薇どこからもらってきたの」と尋ねてみたが、 Qちゃんはすでにテレビを見始めて返事は返ってこなかった。この頃からテレビを見ると人の話を聞かなくなる(聞けなくなる)Qちゃんだった。こぶりの黄色とピンク(記憶は今では確ではない)の薔薇が印象的だった。

翌朝学校に行ってこの建物の側を通り過ぎた時分かった。じこぶりの黄色やピンクの薔薇が咲いていたのだ。今夜Qちゃんがアパートに立ち寄ったらQちゃんを懲らしめてやろう、どんな顔をするかなと胸をときめかしたのを思い出す。

Qちゃんもこの「薔薇の想い出」を覚えていたらしい、「あ、うん」の息であの頃のくすぐったい想い出の写真を撮ることに。

図書館はまだ開館していない。静かでただ広い大学キャンパスの芝生。キャンパスの斜め前は大学のプレジデント宅だったけど、現在はどうなっているのかな。前方に立っているのはAdministration Building。今でもそうかな。15年前にルイストンに来たばかりの私に「この建物は昔は図書館だったんだよ」とキャンパスツアーをしながらQちゃんが教えてくれた。15年たった今でも「あの建物は昔は図書館だったんだよ」と、Qちゃんが教えてくれた。 あの~、そのこともう知ってます。
ミュージックビルディング。友達のみちは(ストレス解消に?)ピアノを弾きに行っていた記憶があるけど、みち、どうだったっけ?

私はこの建物で毎晩日本人学生の英語のテューター(Tutor)をしてアルバイト。 ボイーンのトヨ君、覚えてる? 「NANAさんは怖いテューターだ」と言われていたのかあまり質問をしてくれる生徒がいなかった(笑)。 その分自分の宿題をしてたけどね!
ネスーパース部族のネイティブアメリカンの生活がアートになって紹介されていました。こんな素朴なルイストンの町を象徴するキャンパスの一角、昔はなかったよね。
お洒落なカフェショップが建ってました。土曜日は開いてるのかな。 もう終ったけどハローウィンのパンプキンがお出迎え"Welcome to LCSC !"
カフェショップの壁画、 さすが教育の場だけあって歴史重要人物 サカジュリア、ガンジー、ダリラマ、マーティン ルーサー キング、アインシュタイン、 この方は誰でしょうか? 、マザーテレサがテーブルに勢揃い。

昔はメインの駐車場だった場所、 体育館でジムだった建物が、、、今ではACTIVITY CENTERになっていました。

朝早いけど開いてるかな、、、、扉を開けてみると開いた。 Qちゃんと一緒に中に入ってみる。

Intramural ってなあに? 形容詞で「学内の、部内の」って意味なんだ。じゃ大学のスポーツ部内オフィスってところかな。

Qちゃんがテクテク一人で館内を歩いて行く。

「Curiosity kills the cat (好奇心が猫を殺した)。」スティーブお兄ちゃんの声が聞こえる。ねぇ、そこまで行ってもいいの?


「もちろんさ、大学は一般公共施設だからね。」建物の上に上がるQちゃん。

うわっー、Qちゃんと叫びました!バスケットコートも今では立派になりました。 Qちゃんよくここでバスケットをして汗を流してたもんね。 一人でじっとコートを見下ろすQちゃん、あなたは今何を思い出していますか。大学校内の至る所に分布されている大学新聞パスファインダー。 パスファインダーのライターだったQちゃん。懐かしさにニッコリのQちゃんの写真を撮ります。

そろそろ図書館が開館した頃ね。気の合う「あの仲間達」が集まった図書館に12年振りに Let's go!授業前の一服はSADAKI'S OFFICEでの自動販売機25¢のコーヒーだった。

STUDENT LOUNGE。 私達の仲間の間では「SADAKI'S OFFICE 」だったよね(笑)。「授業が3時に終るからSADAKI'S OFFICE で会おうね」とか 「〇〇ちゃんを捜しているの? さっき〇〇ちゃんをSADAKI'S OFFICE で見たよ。未だいるかもしれないから行ってごらん」って感じで皆普通に会話してたもん。あ~ん、 懐かしいよ!これこれ、 この自動販売機。 だけど自動販売機が新しくなってる!値段も25¢じゃなくて50 ¢になってる!その分紙コーヒーカップも2倍になっている!

SADAKI'S OFFICE には部屋の奥と入って直ぐの所に丸いテーブルが2つあったよね。部屋の奥に何時もSADAKIさんがビジネス風鞄をテーブルの下において、コーヒーをすすりながら、ピンク、黄色、青、黄緑の蛍光灯色のペンで何度も何度も彼のビジネス書に線を引いて勉強していたよね、皆さん、憶えていない?

今朝は私が SADAKI さんの替りに大学新聞のパスファインダーを読みながらダブルクリーム入りのモッカをすする。駄目だ、この空間は SADAKI さんがいないと絵にならない!

寂しい時や、落ち込んだ時、授業で苦しんでいる時、ここに集まって励まし合った仲間達。いつもSADAKIさんがいて皆の聞き役(?)だったね。私達、皆ルイストンを旅立って行ったね。今頃どうしてるのかな。

次回はQちゃんと私の出会いをキャンパスの写真で再現します。