2008年3月31日月曜日

ラニママからの贈物

ポートランドの妹ジェアタ宅でラニママや姪ニアーズとローズに会ったQちゃん。 家族にあうと気分も晴れやかになるようだ、Qちゃんの顔がほころんでいる。

Qちゃんを待つ愛妻にタイ料理を抱え込んで帰ってきた。そしてリビングルームの床に何やら置いて「母さんからNANAにプレゼントだって」と嬉しそうに云ってトイレに入った。

素敵な女性ラニママ。この前彼女からバハイ教の正月カードが届いていた以来だ。そういえばメールで新しく飼った犬の写真を送ってくれたっけ。ブログに載せよう載せようと想いながら、、、時間はどれだけあっても足りない。ラニママのバハイ教友達が作ったカード。小学校の先生をしていたラニママ、流れのある美しい書体でいつもメッセージを書いてくれる。

「時々変なものを贈りたがるんだよ、おふくろ」とトイレから出てきたQちゃんが苦笑いをした。かわいい~! ラニママのユーモアのセンス、お洒落で私は大好き!羽根がフワフラで顔が隠れている。フッ~と吹くと可愛いお顔が出てきた。 きゃ~かわいい。 結構セクシーだからマリリンモンローを見立て、我が家のリトルマリリンと名付けよう!あっこれ、いつもの場所で見つけたのかなラニママ。今度は何だろう? 死海の泥でできた石鹸? 説明書によると死海の泥はミネラルがとっても豊富なんだって。へーおもしろい。 じゃ、私の乾燥したお肌もスベスベになりそう。

まだあるのか? 床に正方形の小さな箱がある。

ラニママは私がスパイシーな唐辛子が好きなことを知っている。結婚したての頃ホノルルで唐辛子模様の鍋敷きと鍋つかみセットを買ってもらったのが始まりで、街で見かける唐辛子グッズをよくプレゼントしてくれる。世界の唐辛子の写真と説明された細長いお洒落な本ももらった。あれも全てハワイの想い出だ。オレゴンでの新しい暮らしには連れて来なかった。オレゴンのアパートでラニママからの唐辛子グッズとまた暮らすことができる。唐辛子の絵が描かれたタイル製のコースター。人を招くのが生活の一部だったラニママ、お茶を出すときに必要なコースター。 ラニママらしい贈物。 ラニママが家族を愛してくれているのが伝わる。ハワイ暮らしを記録にするためにデジカメを買ってくれたのもラニママだった。 今のデジカメもラニママが買ってくれたものだ。ラニママからのデジカメで彼女の息子とその妻、そして家族の写真をブログに残していく。 これが私のラニママへの愛情と感謝の気持なのだから。 翌朝私はある衝動にかられた。 Qちゃんに感謝することだ。ラニママのような人と出逢うこと、それはQちゃんを通してのことだ。 Qちゃんに手紙を残す、ラニママの愛情グッズと一緒に。

2008年3月30日日曜日

Qちゃんの姪

Qちゃん、今日は JURY DUTY (陪審員として果たす義務)で仕事を休んで裁判所に行った。ハワイの時に1度JURY DUTY があったけど、これで2度目になる。

「どうせ昼には帰れるだろうから、その後散髪に行って、ジェアタ(妹)のところに行って母さんにあってくるよ。夕食も向うで食べてくるよ。」仕事で家を出る私の後ろ姿にQちゃんがいった。

アメリカは春休み。オハイオ州からポートランドに帰省している孫娘ローズとその妹ニアーズ、そしてその母ジラに逢うためにヤキマのラニママがポートランドに来ているのだ。

ジラは私の義理の姉にあたる。Qちゃんの兄デービットの奥さんだ。 二人には娘が二人いる。オハイオ州のシンシナティー大学に通うローズと中学生になったばかりのニアーズだ。

Qちゃんの兄デービットは考古学者でアメリカンサモアに住んで"そろそろ"10年になる。現在ジラとニアーズと3人で暮らしている。

デービットは私の義理の兄だ。外見はQちゃんにそっくりでソフトだがワイルドな人生を歩んできた。 長年観察させてもらっているが、彼はもう「この近所で歩いているアメリカ人」ではなくパシフィック系人になっていると云っても過言ではない。

家に帰ると、私が残しておいたメモの隣にQちゃんからのJURY DUTY報告のメモが残されていた。どうやら今回もすぐに帰れたようだ、髪も切ったようだ。メモにそう書いてある。

何か食べようかなと冷蔵庫を開けようとしたら、Qちゃんからの電話が鳴った。晩ご飯を持って帰るから待っているようにと。

30分程して息を切らしてQちゃんが帰って来た。Qちゃん、髪を切ってさっぱりしたわね。益々私好みになったじゃない。

今晩はタイ料理ディナーだったの? 私、タイ料理は大好き!Qちゃん、また林檎をかっぱらって来たね。これなあに? ジェームスジェファソンさんが焼いたココナッツメレンゲクッキー? 小麦が入ってないからQちゃんにもってこいのお菓子だね。タイ料理ってさ、スパイスを上手に使うよね。バジル、レモングラス、東南アジアへようこそ!

ごちそうさまでした、このタイ料理。ふっ~、おいしかった、満足、満足。

Qちゃんはバッジ系が好きだ。コンフレンス、仕事、今回のJURY DUTY、何でもいいけどバッチを付けると小学生みたいに喜んでいる。

ね、家に帰って来たんだからそのバッチ外せば? 写真を撮れって? さっき撮ったじゃない? ちゃんとこのバッチを付けている姿を撮影してほしいの? んんっ、もう! 焦れったいわね! はい、チーズ! これでどう? 満足した?Qちゃん、小学校何年生ですか? ピカピカの1年生みたいじゃない? Qちゃん、ピカピカの40歳なのにね。 これヤキマのジェームスジェファソンさんからでしょう? Qちゃんが大好きな胡桃だね。

じゃ、お腹もいっぱいになったところでジェアタ家での家族ディナーを拝見させてもらいましょうか。今回のフォトグラファーは誰なの? Qちゃん、それともタラちゃん?食事前にソファーで絵本を読むラニママ。アッカンベーのタカンガ、 ラニママ、 タラ、そして成長したニアーズ!ローズも加わると、Qちゃんの姪達の勢揃い!ニアーズは赤ちゃんの頃から知っている私。この前逢ったのはハワイの私の家でだった。いっしょに色塗をして、ペー君を振り回わして遊んでいたのに。 ラニママとQちゃん。やっぱり似てるわね、親子だもん。ラニママが編んだカーディガン、上手でしょう?そろそろディナータイムかしら。ジェファーの彼女シラさんとタラちゃん、一緒にテーブルセット。タラ、何が食べたいの? グラングラン(ラニママは自分をそう呼ぶ)がお皿に取ってあげるわよ。ジェファーおじちゃん、魔法の球をタラちゃんに貰ってパワフルマンに変身!ジェファーとシラさん。 ピンクのカーディガンはラニママ手製の贈物。お腹が空いてるお二人さん、タイスープはココナッツミルクで濃厚!お二人さん人前でキッス! 後ろに飾ってある絵画、ジェアタと御主人シオネの結婚記念で友達が描いて贈ってくれた。この絵もキッス! じゃ私達もキッスする、Qちゃん? そんな中ローズは一人で静かにお食事中。Qちゃんの恥ずかしい写真、こっそり載っけよう。 今晩これ見たらどう反応するかなQちゃんこのオレンジのセーターもラニママが編んだもの。 ラニママの愛情を着込んで私達家族は繋がっているのだ。ありがとう、ラニママ。

2008年3月29日土曜日

疲れています。

今日は体が疲れています。こんな時はユックリとオフロにつかりカリスマママ友達のにたさんから贈られた本「オレンジの壷」をアイスコーヒーを飲みながら読ませてもらいます。

あったかいお風呂に入れる、にたさんの優しさに触れながら本を読める、ミルクタップリのアイスコーヒが飲める、湯ぶねに足を伸ばして仕事を終えた満足感を得られる、今日関わることができた人に感謝できる、隣の部屋でテレビを見ているQちゃんがいることで安らげる。

「生きている」ってこう思うと悪くないな。ありがとう。

2008年3月28日金曜日

フラワートルティアー

Qちゃんはコーントルティアーが好き。

豆なら何でも好きなQちゃん、フィリングにはピント豆が好きなようだ。

たまにQちゃんの要望を無視して自分のフィーリングで豆を買う。黒豆でもいいし、 レッド豆でも、 キドニー豆でも、ブラックアイ豆でもリフライドビーンにしてしてしまえば見た目は分からない。

Qちゃん、美味しい、美味しいと食べているんだから問題はない。

トルティーアには小麦でできたフラワートルティーアがある。コーントルティーアと同じ食べ方だが、 コーンの場合はタコス、 小麦の場合はブリートと呼ばれている。Qちゃんが小麦は食べれないからという理由でフラワートルティーアを食べてなかったけど、 この前無性に食べたくなって買物カートの中へ入れた。このフラワートルティーアが我が家の晩ご飯に変化をもたらすとは誰も知るよしもなかった。

フラワートルティーア、簡単にすぐサンドイッチやブリートが作れるのだ。

ランチにターキーハムとスライスチーズをのせる。電子レンジで1分もすればチーズがとろり。 その上にレタス、 玉葱、 ピクルス、 好きなドレッシングをかけてクルクル巻けば立派な食事になることを思い出した私。

Qちゃんが帰宅する前、少しお腹が減っている。そんな時は、、、、黄色のお皿さんを連れてきて、フラワートルティーアをお皿に広げて、残りのリフライズビーンと焼き飯をのっけて電子レンジでチン。レタスと玉葱、サルサソース、サランチョラ、サワークリームをのっけて、クルクル巻いて、温野菜のサラダとポテトサラダをお皿にのせたら「私の晩ご飯」の出来上がり。

自分のお腹がいっぱいになったら Qちゃんのご飯を作るのが面倒になる。 Qちゃんは子供ではないのだ、タコスを自分で作ってもらおう。

Qちゃん、お腹を空かせて仕事から帰ってきた。「あ、Qちゃん、今晩は自分でご飯作ってね」

Qちゃん、一人淋しく「Qちゃんの晩ご飯」を作っている。毎晩ではないが、こんな夜がかなり続いた。

この前仕事から家に帰ると、オフだったQちゃんが家でカレッジバスケットを見ながら弟のジョファーに電話で話していた。私を見ると「 おっと、俺のオンナが帰ってきたから、 じゃ後でな」と電話を切る。

英語は実に面白い言葉だ。 日本語で「俺のオンナ」というとなんか耳障りだが、 英語で「My Woman」というとナチュラルに聞こえる。それは私だけだろうか? そう呼ばれることに慣れただけだ。

時間はまだ夕方前。なんかお腹が減ってる、じゃあれ食べよう。

と、台所で最後のフラワートルティーアでカニカマサンドイッチを作っていたら「今晩も晩ご飯をつくってくれないの? 」とQちゃんが哀しそうに私の隣に寄ってきた。お腹を空かした捨て犬がクーンクーンと足にまとわっているような光景だ。

「NANAも仕事で疲れているだろうから無理して夕食を作らなくてもいいけど、僕NANAの美味しい手料理を食べるのに慣れてしまって、ここ最近すごく食べたいんだ」うん、Qちゃん、分かるよ。その気持ち。 だって私の料理おいしいもんね、でしょう?

とサンドイッチを作りながら黙って聞いていると、まだ続きがあるらしい。

「NANAの家庭料理を毎晩食べていたこと、これって贅沢なことだね。当たり前のように毎晩美味しいご飯を食べられる暮らしに甘やかされてしまったんだね、 僕」と、こんな涙が出る(出るわけないが)言葉をいつ覚えてきたんだ、Qちゃん?

おいおい、まだあるのか?

「このフラワートルティーアが最後の1枚だね。 じゃ明日からまた美味しい晩ご飯が食べられるかもしれないな」と最後まで可愛いくネダルQちゃん。

ここまでされたら私もグラッとなりますよ、Qちゃん。 じゃ何を作ってあげようかな。けどこのサンドイッチ食べさせてね、お腹すいてるのよ。聞こえたでしょ、私のお腹が今グッーてなったのが。

これが最後のフラワートルティーア。またQちゃんに愛情が溶け込んだ愛妻料理を食べさせてあげるわね。牛肉といんげん豆のオイスター炒め
玄米
ホームメイドサルサ
エンチラーダス(擬き)

Qちゃん、美味しいでしょう? 私と結婚してよかったね。

アドレスシール

私が大学生の頃は請求や光熱費の支払は個人チエックを切っていた。 それを用意された封筒に入れて会社に送る方法だ。

アメリカの郵便では差し出し人の住所と名前を封筒の左上に書いておくのが常識だ。

毎月の暮らしの請求書を払うために、私は小切手を書き、それを封筒に入れて、封筒の乾いた糊の部分をペロリと舌で舐めて張り付ける。 そして封筒の左上に自分の名前と住所をペンで書く。それが習慣だった。その習慣はハワイにいた頃も同じだった。

私は手紙を書くのが好きだ。電話やメールが普及された「早い伝達」が可能になったが、 自筆で誤字がある、内容の筋がまとまっていない、そんな「個人の手紙」を送るのが好きなのだ。

白紙に手紙の文字を通してその時の自分を手紙の相手に届ける。それが終ると封筒の左上に「自分の烙印」をしたためる。その流れが好きなのだ。

手紙の内容が歳を重ねて変わるように時代も変わった。友人への近情報告は今ではメールの方が楽になってきた。 請求書の支払いも e-バンクで済ますようになった。 いうまでもないが、今はパソコンなしでは暮らせない生活になった。

先週家の郵便箱に大きな薄緑の封筒が入っていた。 差し出し人はどこかの教会団体からだ。 見覚えがないが、最近やけに見知らぬ会社からジャンクメールが届くようになった。私の住所が含まれたメイリングリストがどこかで売られたのだろう。

封筒の中には私の住所が印刷されたアドレスシールが入っていた。このシールをはって寄付金を送ってくれるように促しているのだろうか。

封筒を使わなくなった今の暮らし。こんなにたくさんのシールを使い切るには何年かかるだろうか。捨てればいいのだけれど、シンプルで可愛くて暫くは私の宝箱に入れておくことにした。なぜだか子供の頃に戻ったような嬉しい気分になった。

今夜は仕事で遅くなる。晩ご飯の黄色スプレット豆スープをつくってから家を出た。朝食を兼ねて味見をする。 ジワジワと美味しさと栄養が体に浸透していく。 よしっ、 今日も仕事に行ってくるか。朝5分の感謝の時間。

いってきます。

2008年3月27日木曜日

喧嘩したら想い出して

Qちゃん、喧嘩したね。喧嘩っていうとあれだから「熱い意見交換」っていうのはどう?

知ってるよ、私が怒ってさっさとベットの中に入った後、Qちゃん一人でメールを打ってたでしょう? あれ、今朝私が読んだ「私へのメール」でしょう?

Qちゃん、そういうところ私とちがって繊細で本当にまめだね。けどすごく自分が大切にされてるって思う。

Qちゃん、ありがとうね。いつも抱き締めてくれて。 いつも帰るコールしてくれて。 いつも大事にしてくれて。

Qちゃん、もう知ってると思うけど、Qちゃんしかいないから。すっごく淋しがりやで、憶病なのを知ってるのはQちゃんだけだからね。特別なのよ、Qちゃんは。

書かないと、伝わらないことがあるもんね。 だからこうやって書いておくよ。また「熱い意見交換」しても私のこのメッセージを思い出して「なんだかんだ文句いってても俺のこと好きなんだろ」って心の中で笑っててよね。


大好きなQシープ-my dear Q sheep

Quddus, we had an aggressive argument. I don't like to call it as argument, so why don't we call it as "expressive exchanges of own opinions and views"?

I knew that you were writing me the reflection of "the event" after I left the room and went to the bed. The message you had been working on last night was what I read from you this morning, wasn't it?

This kind of your consideration to aftermaths is indeed impressive to me because I don't have such sensitivity and faithfulness.

Thank you for always holding gently, calling at home, and affectioning me.

Quddus, as you've learned about me by now, you are the only loved one whom I have right now. You are the only "special" man whom I expose my loneliness and timidity to.

There are something that cannot be reached to you unless I document in writing. That is why I urged to write and inform you of the statement below.

Whenever we present "expressive exchanges of own opinions and views" on the table, you recall this message and laugh at me, knowing "no matter what Nana says, I know she cares about me anyway."

ローストポークとオニオン
ポテト
ブロッコリー
人参
ハムス
スペルトブレッド
海藻スープ

喧嘩しても、Qちゃんと美味しい晩ご飯を食べて、また仲良く一緒に暮らす。そうなんだよ。Qちゃんと私が一式になって「夫婦」なんだよね。そうでいられること、今の私の何よりの生き甲斐なのよ。

2008年3月26日水曜日

フムスでフムフム。

外に自分を開放したら少し気分も上昇してきた。 Qちゃんが好きなフムスを作ろう。 ついでにスペルト小麦でフラットパンも焼いちゃうぞ!本場のフムスを食べたことがないから、こんな感じかなくらいしか判断できない。フムフム。けどこってりとしてコーンチップスと相性がいいね。 Qちゃんが帰ってくる前に食べちゃった!

時々ロースト系が食べたくなるの。 今晩はチキンをケージャン味で調味してローストしょう。緑野菜に法蓮草と玉葱を付合せ。鮮やかな生サラダはマスタードドレッシングで頂きましょう。ローストケージャンチキン
法蓮草と玉葱
サラダ
フムス
スペルトブレッド

さすがQちゃん!私が作ったフムスを一口入れて「ライムとオリーブを入れてないだろう」と見事に当てた! だってライムは家にはないし、タヒニはかなり油っぽいよ。 それにオリーブオイル? アンヘルシーじゃないの?

なんて言い訳してたら、Qちゃん冷蔵庫からオリーブ油をもってきてドバドバとフムスに振りかける。 「地中海料理はオリーブ油を何にでもかけて食べるんだよ」とQちゃん。フムフム。そうやって食べるのか。

今度地中海料理か中東系レストランにとしさんを連れて3人で食事にいこうね。その時はエスコートお任せします、Qちゃん。

春さがしは自分さがし

Qちゃんを見送った後の一人ぼっちのアパートから抜け出した。アパートの狭い空間では自分が黒い影のように重かったが、外に出ると自然と私の足どりが軽くなっていた。空が青く、春朝の空気もピリッとしている。 もっと自分を外に出さなきゃいけないな。透き通った水の流れも早く、カラカラと音を立てている。 春を見つけた。 春の陽射に誘われて太陽に触れたくなるのは生き物すべて同じかな。 犬の散歩のおじさんと少し御喋り。 このワンちゃんの父方はジョージ ワシントン大統領が飼っていた犬の血筋が入っているそうです。 おじさん、自信たっぷりで説明してくれました。 ワンちゃんの仕付もできていておりこうな犬でした。この当たりではよく目にする。水仙の華。黄色が春を感じさせてくれます。駐車場がピンクの華で飾られて、 小学校の桜道を思い出します。春の入道雲の下から見上げる梅(桜)の華、春の息吹を目にする瞬間。カメラを肩から下げて、目に映る春を撮る。自分の心を動かしてくれるもの、日常という地面にしっかりと密着している確かな写真を撮り続けたい。良い天気ですね。ところで仕事中お聞ききしますけど、何をしているのですか。 春になったから新しい低木に植え替えているんだ。カメラを持ってあんたは何をしているんだ?春捜しの散歩をしているの。そのポーズいいわね、 撮らせてもらってもいいかしら?ああ、いいよ。好きなだけ撮ってくれていいよ。アパートの中で私が一人静思している間、このように人々は動いていたのだ。アパートの密室では私は悲劇のヒロインだったが、 外に一歩出れば私は誰でもなくなる。通りすがりのカメラを持つただのアジア人だ。臆病な自分を春の訪れとともに再確認する。地面に根を広げて二人で寄り添うたんぽぽ。Qちゃんと私を象徴しているよう。誰も気にも止めないけど精一杯に生きているようで自分達夫婦のように見えるのだ。

春さがしは自分さがしだったようだ。温かい空気を胸に吸い込んだら、Qちゃんと二人のアパートに戻ろう。 時間があるから今晩は少し手の込んだ料理にしょう。